創業の精神
坂口電熱のはじまりは、創業者 坂口太一の「私たちは、数多くのおかげ様で生かされている」という想いです。
「企業経営は、社会恩に報いるものである」との考えは、社是として明文化され、後世に脈々と受け継がれています。
はじまり
創業者 坂⼝ 太⼀
ラシャ(毛織物、厚手のウール生地)問屋の仕事をしていた坂口太一は、取引先の仕⽴て屋で、夏の盛りに汗を流しながら炭⽕アイロンに⽕を⼊れる若者を⾒かけました。「なんとかしてあげたい。あれでは勉強の時間も持てないではないか」と考え、⼯業⽤電気アイロンの開発に取組みはじめました。
当時、⽐較的軽量な家庭⽤アイロンは⼤⼿メーカーが輸⼊や製造をすでに始めていましたが、分厚いウール生地などに使用する、しっかりとした重みがあり、なおかつ職人が連日酷使しても壊れない丈夫な「工業用電気アイロン」はありませんでした。
坂口太一は、ラシャ卸の仕事の傍ら、当時の東京電燈(株)(現在の東京電力ホールディングス(株))の研究部門に日参して教えを請い、一方では鋳物の町である埼玉県川口市内の工場に通って試作品の委託製造を積み重ねました。
こうした努力が実を結び、1927年、ようやく「工業用電気アイロン」を開発しました。
この電気アイロンは1932年に工業用電気アイロンとして実用新案を取得。誰もが使えるように、当時では珍しい「割賦販売」を⾏い、アイロンは⾶ぶように売れたといいます。
電気⽤品細密試験のため当時の試験機関だった「東京電燈株式会社」に太⼀が依頼した電気アイロンの試験成績書
坂⼝太⼀が特許局に申請した「電気アイロン」実⽤新案登録願(1932年5⽉2⽇ 特許局⻑官宛に提出)
炭火アイロン
工業用電気アイロン
社業を通して
社会恩に報いる
2代⽬社⻑ 坂⼝美代⼦
坂口太一は、「私たちは、数多くのおかげ様で生かされている」と考えており、「企業経営は、社会恩に報いるものである」という想いを持っていました。この想いは1976年に当時2代目社長であった坂口美代子により社是として明文化され、経営方針の礎として引き継がれています。
社 是
聖賢の教学に則り社業を通して
国家社会の進化発展と
⼈類の安⼼平和幸福の実現に
貢献せん事を念願とする
弊社の事業活動は、社是に則り社会の公器としてお役立するという考えがベースにあります。
工業用電気アイロンの開発から始まり、カートリッジヒーターやシリコンラバーヒーター等、各種ヒーターの開発を手掛け、その時々の先端産業に必要とされる熱のエキスパートとして進化を続けてきました。
それらの功績が認められ、1987年 日刊工業新聞社より「婦人経営者賞」、1992年 千葉県「ゆとり創造賞 優秀賞」、2005年 第3回「渋沢栄一賞」、2009年
第7回「勇気ある経営大賞 大賞」等を受賞いたしました。
これからも、人と社会にお役立ちする製品・技術を作り続けてまいります。
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1983年 トリスタン計画に参画
宇宙誕⽣直後の超⾼エネルギー状態をつくりだす巨⼤加速器「トリスタン」に弊社製品が採⽤された
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2001年 H-2Aロケットに採用
H-2Aロケットの姿勢制御⽤の燃料が外気温で凍結するのを防ぐためのヒーターとして、弊社製品が採⽤された
(C)宇宙航空研究開発機構(JAXA)